ペロブスカイト太陽電池を開発する中国のスタートアップ企業である光翼イノベーション(Bilight Innovation)は9月1日、エンジェルラウンドでの資金調達を完了したと発表した。出資者には、電子部品や環境材料を手掛ける日本企業のソマールなどが名を連ねる。
同社は、2023年に設立したスタートアップ企業。CEO(最高経営責任者)の蕭仲欽博士が率いるチームは、ディスプレイ、フレキシブル材料、ペロブスカイトの技術において300件以上の特許を保有するという。米国、ドイツ、日本、韓国、インドなどで事業を展開するとともに、電子ペーパー大手や蓄電関連企業と提携している。
パイロットラインでは、厚さ0.1mmの薄型・軽量なフレキシブルタイプのペロブスカイト太陽電池の生産に成功した。従来の結晶シリコン太陽電池と比べて光電変換効率の向上、低照度条件下での優れた性能、製造時のエネルギー消費の低減が期待されるという。
フレキシブルタイプのペロブスカイト太陽電池は、IoTデバイスや電子タグの電源、ポータブル電源、建材一体型太陽電池(BIPV)など産業向けと一般消費者向けの両市場を対象とする。太陽光は、化石燃料と異なり、公平に地球上に降り注ぐ資源のため、安価なフレキシブル・ペロブスカイト太陽電池の普及は発展途上国にも大きな恩恵をもたらす可能性があるとしている。