熱中症対策に発汗計測ヘルメット、太陽光の建設現場で実証

太陽光発電所の建設やPPA(電力購入契約)スキームよる売電事業などを手掛けるグッドライフ(長野県岡谷市)と、 公立諏訪東京理科大学発ベンチャー企業のカナルウォーター(長野県茅野市)は7月28日、太陽光発電所の建設現場における熱中症対策について、実証実験を行うと発表した。

 カナルウォーターは、2021年にヘルメット装着型発汗計測機器を開発し、特許を有している。多くの作業現場での実験を通じて、機器の小型化やデータ処理などのノウハウを蓄積してきた。2024年度には村清財団の助成金にも採択され、本格的に熱中症リスク管理サービスを開始した。

 ヘルメット装着型発汗計測機器は、発汗量・心拍・動作強度を計測することで、熱中症リスクを事前に検知し、ランプやブザーのアラート(警告)により給水を促す。計測データはクラウドに蓄積され、作業者や現場監督に加えて、会社の安全部門や産業医もPCやスマートフォンからリアルタイムに確認できる。

 実証実験では、グッドライフの現場職員3人にヘルメット装着型発汗計測機器を装着してもらいモニタリングを実施する。太陽光発電所の現場1カ所あたりでの作業時間は約1時間半程度で、1日に複数の現場を巡って合計7〜8時間程度の作業を行う見込み。期間は8月4〜8日。集計結果は、9月以降に発表する予定。

 6月1日に施行された労働安全衛生規則改正では、事業者に熱中症対策が義務化された。熱中症リスクのある現場を持つ企業は、熱中症の自覚症状や疑いのある人がいた場合の連絡、作業からの離脱、身体の冷却、必要に応じた医師の処置や診断など、症状の悪化防止に必要な内容や手順を事業所ごとに定める必要がある。

 グッドライフは、長野県内を中心に720件の太陽光発電所の建設実績がある。日照条件の良い場所に設置する太陽光発電所の建設では、これまでも空調作業服などでの対策を行ってきた。熱中症のリスクの高まりにより、気象条件や作業環境の異なる建設現場において、作業者に最適な対策を検討していくという。

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