経済産業省は、固定価格買取制度(FIT)に認定された案件をフィード・イン・プレミアム(FIP)に移行させるため、需給調整業務を担うアグリゲーターとFIP事業者のマッチング・プラットフォームを設立する。
9月11日に開催した第1回「FIP制度の活用促進に向けた勉強会」で示したFIP移行促進パッケージのなかの1つに盛り込んだ。
FIPは、再エネ発電事業者の収入が電力市場価格と連動することなどから、再エネ発電事業者に需給に応じた電力供給を促すことができ、再エネの電力市場への統合の鍵となる。2024年12月末時点のFIP認定量は、新規・移行を合わせて1701件、約3130MWとなり、一定のFIP活用が進んでいる。
その一方で、将来的には全再エネ電源のFIP移行が望ましいことから、FIP移行促進パッケージとして、優先給電ルールにおける出力制御順の見直し、FIP移行に向けた事業環境整備の更なる推進、アグリゲーション・ビジネスの活性化といった施策を実施する。出力制御順の見直しでは、2026年度または2027年度に出力制御の順番を「FIT電源→FIP電源」とすることで、FITの出力抑制量を多くすることで、FIPへの移行を促す。
事業環境整備の更なる推進では、FIPにおける情報開示の推進、FIP併設蓄電池における系統充電の拡大、FIP移行案件の事後的な蓄電池併設時の価格算定ルール、供給シフトの更なる円滑化(バランシングコスト)、非化石証書の直接取引の拡大、FIP移行時の蓄電池設置手続きに係る審査の迅速化を実施する。
アグリゲーション・ビジネスなどの活性化では、アグリゲーターとFIP事業者のマッチング・プラットフォームの設立のほか、関連プレーヤーの理解醸成などを促進する勉強会の開催、FIP電源の需給調整に資する系統用蓄電池の導入を促進する。
マッチング・プラットフォームは、アグリゲーターの事業者団体と連携し、全国のアグリゲーターのFIP事業者向けアグリゲーションプランを経産省のWebサイト「なっとく!再生可能エネルギー」上で公開する。すでに8月から掲載募集を開始しており、準備が整い次第、9月中をめどに掲載開始する予定。