太陽光発電のO&M(運用・保守)サービス大手であるスマートエナジー(東京都港区)と、NCSアールイーキャピタル(東京都港区)は8月29日、特別目的会社(SPC)を共同設立し、既設の低圧事業用太陽光発電所を買い取り、集約して長期運用する事業を開始すると発表した。
NCSアールイーキャピタルは、NECキャピタルソリューションの100%子会社で、不動産事業や再生可能エネルギー事業を展開している。
スマートエナジーによると、太陽光発電の新規開発の主体は、適地不足や地域との合意形成の難しさにより、連系出力50㎾以上の特別高圧・高圧設備から、連系出力50㎾未満の低圧設備に移行しつつあるという。一方、固定価格買取制度(FIT)の開始当初に建設された低圧太陽光設備は、事業環境の変化により収益回収が困難になり、管理不全や放置、事業廃止などのリスクが高まっているという。
同事業では、既設の低圧事業用太陽光を取得し、適切な運転・保守および設備更新を行うことで、長期安定電源として運用することを目指す。フィード・イン・プレミアム(FIP)への転換やオフサイト型PPA(電力購入契約)スキームでの収益モデルも視野に入れる。
取得した発電設備のO&M(運営・保守)サービスは、スマートエナジーグループが担当する。スマートエナジーは、2024年5月にYKコネクション(宇都宮市)とともに低圧事業用太陽光向けO&Mに特化したスマートエナジーコネクテッド(宇都宮市)を設立している。
発電所の取得に向けて、スマートエナジーとNCSアールイーキャピタルは60億円規模のファンドを出資し、2027年までの2年間で400件、太陽光パネル出力25MWの取得を目指す。8月1日から事業を開始する。なお、経済産業省の長期安定適格太陽光発電事業者(適格事業者)の認定取得は考えていないという。