国内初の「浸透圧発電」、福岡市に110kWの施設稼働

福岡地区水道企業団は、福岡市および協和機電工業(長崎市)との共同により、福岡市東区の海水淡水化施設「海の中道奈多淡水化センター(まみずピア)」に浸透圧発電施設を建設し、8月5日から発電を開始した。浸透圧発電施設は国内初、世界でも2例目となる。

 浸透圧発電は、まみずピアにおいて海水を淡水化する際に放流される濃縮海水と、東区の「和白水処理センター」から放流される下水処理水の塩分濃度差を利用する発電技術。濃度差のある2つの処理水を浸透膜で隔てることで、濃度を一定に維持しようと下水処理水から濃縮海水へと水が移動する力(浸透圧)を利用して水車(発電機)を回す仕組み。

 発電出力は約110kW。年間発電量は最大88万kWhを見込む。濃縮海水の使用量は1万m3/日、下水処理水の使用量は9200m3/日。発電した電力は、まみずピアで自家消費し、使用電力の一部を賄う。

 浸透圧発電は、放流水という未利用資源を有効活用でき、天候に左右されず稼働率が高いという利点がある。濃度差が大きいほどエネルギーを得やすいため、まずは塩分濃度約8%の濃縮海水を用いて発電する。さらに次のステップでは塩分濃度約3.5%の通常の海水を使って運用することを目指す。

 また、福岡地区水道企業団は、8月6日に「海水淡水化センター20周年記念水の冒険バスツアー」を開催し、福岡都市圏の小学4〜6年生および保護者37人でまみずピアと鳴淵ダムを見学した。まみずピアでは、事前申し込みにより見学を受け付けている。

特別声明:本サイトは他の機関やウェブサイトから転載されたコンテンツを引用し、より多くの情報を伝達するためであり、利益を得るためではありません。同時に、その観点に賛成したり、その記述を確認したりすることを意味するものではありません。コンテンツは参考のためだけです。 著作権は原作者に帰属しますので、侵害があれば、当サイトに連絡して削除してください。